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映画・ドラマの感想ブログ。カナダ在住。

ダッシュ&リリーを見て泣いてしまった話

Dash & Lily (TV Series 2020– ) - IMDb

かなり前の話になってしまうけれど、年明けにNetflixミニシリーズの"ダッシュ&リリー"を見た。

 

主人公の女の子が日系という設定、っていう情報だけはどこかの記事で見て、最近Netflixもアジア系が主人公の作品増えたよねーくらいのノリで見始めたんだけれど、見始めてどっこい。

自分の中に埋もれていた様々な感情がどんどんと引き起こされて、知らぬ内に主人公2人へ感情ド移入。見終わった時に”もうこれ以上2人の今後を見守れないなんて!”と悲しくなってしまった。

つまり、凄く良かった。

 

クリスマス時期のキラキラしたNYを舞台に、リリーが本屋に仕掛けた交換日記をダッシュが見つけ、お互いの姿を知らないまま交換日記を続けていく内に互いに惹かれあっていく、という言えば割とご都合主義がちな王道ラブストーリーなんだけれど、主人公2人、特にダッシュのシニカルな性格や、それぞれが抱える孤独感がクリスマスの華やかな世間の雰囲気とのコントラストと共に絶妙に描かれてて物語を甘ったる過ぎないようにしてくれる。

 

この2人のシニカルで周りに上手く溶け込めない性格が物語のキーで、そんな2人が文章の交換によって少しずつ心を開いて、それぞれが抱えている葛藤をシェアしていく内に、お互いが自分にとって必要な存在なんだと気づいていく過程が、純粋で真っ直ぐですごく良かった。そういえばこういうストーリー、最近見てなかったかも。自分自身も少し2人寄りの性格なので、自分のめんどくさい性格を分かってくれる人を見つけるなんてそれこそ奇跡だし、見つけたらそれこそ宝物の様な関係だという事を知っているから、2人に感情移入せざるを得なかった。

 

だからこそ(ネタバレになってしまうけど)その少しずつ積み上げてきた2人の関係性をなくしてしまったかもとリリーが泣くBARのシーンで、私も一緒になって泣いてしまった。痛いほどその辛さが伝わってきたから。

 

今はテキストでいつでも連絡が取れるし、SNSでお互い何をしてるか把握できて、顔写真をスワップするだけで好みっぽいであろう人に出会えちゃう時代だからこそ、2人の会えるか会えないのか分からない関係の不確実性や、文章の交換だけで気持ちを繋いでいくストーリーは懐かしさと共にストレートに私の心に響いたのでした。

 

ところでシーズン2、密かに期待していたけどひっそりとキャンセルされたみたいで、凄く残念。原作はこの後の話もあるみたいなので、本で続きを読むしかなさそう。主人公を演じている2人がそれぞれの役にはまってて凄く良かったので残念。